ヨシは川や沼の水辺に生える背の高い草です。アシ・葦、も同じ植物です。地下茎でつながって大きな群落となり、「ヨシ原」という風景を作り出します。

世界に広く分布し、日本にも古来より親しまれる植物として存在してきました。「すだれ（よしず）」や「かやぶき屋根」、和楽器にも使われています。

干拓が進み、輸入品におされて日本の原風景ともいえるヨシ原は減少の道をたどっていますが、水の浄化役や生物の住処として、また素材として見直されるべき点も多いのです。

柔らかな風合い、色合いをもち素朴な温かさを感じさせる紙です。

枯れたヨシを毎年刈り、紙に利用することで立ち枯れによる河川の流入を防ぎ、また新しいヨシが育つことを手助けできます。ヨシ原を守ることは、川の水質や生物を守ることにもつながります。

また、非木材紙であるヨシ紙には森林伐採を防ぐ面もあります。こちらのヨシ紙は非木材グリーン協会の認定を受けています。

冬12月〜2月、十分に枯れたヨシを刈り取ります。ヨシだけを選別したあと、束にして天日で乾燥させ、工場へ。人の背よりも高い草の束は壮観です。

工場ではチップに粉砕され、煮てパルプに仕上げます。そのヨシパルプを10〜30％配合し、機械で均一にすきます。傷やピンホールがないかしっかりチェックしてヨシ紙の完成です。

製造元：山田兄弟製紙株式会社（福井県越前市）

http://www.yamada-keitei.com/yoshi.html